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メガバクテリアの治し方|飲み薬、注射薬、治療期間を解説

この記事では、「メガバクテリアの治療」についてお伝えします。

メガバクテリア(=AGY、マクロラブダス)は、鳥に感染する真菌(カビ)で、胃に障害を起こします。

セキセイインコは感染率が高く症状が強く現れるため特に注意が必要です。

メガバクテリアは、治療が不十分だと再発することもあるため、飼い主さんも適切な治療方法について知っておくと安心です。

メガバクテリアの治し方
  • 抗真菌剤(飲み薬や注射薬)を長期投与(4週間以上)
  • 症状に応じて胃薬、吐き気止め、抗生物質

当院(もも小鳥の動物病院)ではメガバクテリア郵送検査を受け付けております👇

(参考記事)
メガバクテリアとは
メガバクテリアの検査方法
メガバクテリアの症状

メガバクテリアの治し方

メガバクテリアは薬で治療します。

メガバクテリアは真菌(カビ)ですので、原因を直接やっつける方法は抗真菌剤しかありません。
(抗生物質だけでは効きません)

抗真菌剤には飲み薬(直接飲ませるor飲み水に混ぜる)注射薬があります。

治療開始時期と投薬期間がとても大切です。
早期発見・早期治療&抗真菌剤を適切に使えば治る病気です。

飲み薬の投薬期間は4~6週間くらいです。
カビはしつこいので長期的に薬を投与する必要があります。

病気の進行具合や飲み薬の反応によって、注射が必要な場合もあります。

既に症状が出ていて具合が悪い場合は、胃薬吐き気止めなどで対症療法を行いながら、保温して、餌を胃に優しいもの(ペレットやエンバク)に切り替えて看護します。

メガバクテリアの薬

インコ・オウム・フィンチなどの飼い鳥のメガバクテリアの治療には抗真菌剤を使います。
薬の投与方法は、飲み薬と注射薬です。
動物病院によって、薬の投与方法、投与期間、注射の有無と回数など治療方法は異なります。

メガバクテリアの飲み薬(直接飲ませるor飲み水に混ぜる)

メガバクテリアの治療は、飲み薬(抗真菌剤 アムホテリシンB)を使います。

メガバクテリアをしっかりとやっつけるため、投与期間は最低4週間と長期的に投与します。

アムホテリシンBは、腸からほとんど吸収されない薬です。
薬が胃を通過するときにメガバクテリアをやっつけてくれます。

薬の働き方から、直接飲ませる方法より飲み水に混ぜる方法の方が、より高頻度に薬が届くため効果的です。
メガバクテリアが胃粘膜の深いところまで入り込んでいると飲み薬が効きにくいことがあります。

飲み薬で治療効果が薄い場合やメガバクテリア症が進行している場合は、注射薬による治療が必要になります。

メガバクテリアには薬が効きにくい耐性菌がみられることがあり、その場合は抗真菌剤の種類を変えて対応します。

メガバクテリア症の症状が出ている場合は、対症療法として胃薬吐き気止めなどのお薬も使います。

メガバクテリアの市販薬はある!?

メガバクテリアの薬は市販されていません。
飼い主さんがペットショップや一般的な通販で入手し治療をすることはできません。

ネット上の信頼性に誤った情報に惑わされず、愛鳥には適切な治療を受けさせてあげてくださいね。

動物病院で診察を受けて、薬を処方してもらい、正しい薬用量・投薬方法・投薬期間で治療する必要があります。

メガバクテリアの注射薬

メガバクテリアの治療には、飲み薬に加えて、必要に応じて注射薬も使うことがあります。
(注射薬のみでは治療が不十分となることがあるため、飲み薬との併用が基本です。)

注射薬はミカファンギンナトリウムという抗真菌剤を皮下注射します。

注射薬は、全身をめぐって作用するので効果が強いです。
メガバクテリアが胃粘膜の深くまで侵入していても、注射薬なら効果があります。

少なからず痛みがあり鳥さんに負担がかかります。

注射薬を使うかどうかは、治療開始時の年齢、症状の進行具合、病院の治療方針によって異なります。
愛鳥に合った治療をしてもらえるよう、よく相談してみてくださいね。

メガバクテリアの治療期間

メガバクテリアの治療は長期間の投薬が重要です。
メガバクテリアをしっかりとやっつけるため、投与期間は4~6週間が目安です。

薬を飲み始めると、1週間後には糞便中のメガバクテリアは消失することが多いですが、胃粘膜内にはまだメガバクテリアが残っています。

糞便検査で検出されなくなったからと言って、治療開始1~2週間で薬を終了してしまうのは、とても危険な行為です。

投薬期間が短いと再発する可能性が高いことを飼い主さんも知っておきましょう。

メガバクテリアの予後

メガバクテリアは治る?治らない?予後について解説します。

メガバクテリアは自然治癒する?

メガバクテリアが自然治癒することはありません。
抗真菌剤の投薬治療を受ける必要があります。

治らない、手遅れになることはある?

メガバクテリアは、早期発見し適切な治療を受ければ治ります。

発見が遅れると、胃の障害が残り、メガバクテリアがいなくなっても後遺症が残ることがあります。

症状が進行してしまうと、長生きできず手遅れになるケースもあります。

治療が不十分だと再発することも!

メガバクテリアは再発することがあります。
治療後に無症状で糞便検査も陰性になっても注意が必要です。

再発の原因は、薬が効きにくいメガバクテリア(耐性菌)であったか、薬用量や投薬期間が不足していたと考えられます。

糞便検査でメガバクテリアが見つからなくても、実は胃の中に潜むように潜伏感染していた場合、1~2年後に症状が出始めて再発に気付くというケースもあります。

一度メガバクテリア感染が見つかった鳥さんは、その後も定期的な健康診断をおすすめします。

糞便検査は検出率が100%ではありませんので、年2~3回ほど検査を受けられると良いです。

再発した場合、胃の障害が進行しており、後遺症が残ることも多く、長生きできない子もいます。
信頼できる病院で適切な治療を受け、定期的な検査を欠かさないようにしましょう。

完治させる方法

メガバクテリアを完治させる方法は、早期発見・長期治療です。

メガバクテリアを完治させる方法
  • お迎えしたらできるだけ早く糞便検査を受けましょう。
  • メガバクテリアの感染が見つかったら、症状が出る前に適切な治療(抗真菌剤の飲み薬による治療を4週間以上)を受けましょう。

(参考)メガバクテリアの症状

治療期間が短かった場合や治療後に症状が出て再発が疑われる場合は、セカンドオピニオンも検討しましょう。

メガバクテリアの検査について👇

メガバクテリアの治療費

メガバクテリアの治療費は、動物病院によって異なります。

1回の診察と糞便検査で数千円通院で治療が完了するまでに1~2万円ほどかかることが多いようです。

当院での治療費についてはこちら

まとめ:メガバクテリアを治すためには早期発見・長期治療が重要

メガバクテリアの治療
  • 飲み薬で治療が基本
  • 注射薬を併用する場合もあり
  • 治療期間は4~6週間
  • 早期発見・長期治療で治る

セキセイインコは感染率が非常に高いです。
手遅れになる前に、なるべく早く(できれば1才になる前に)に見つけて早期治療を受けさせてあげましょう。

当院(もも小鳥の動物病院)ではメガバクテリア郵送検査を受け付けております👇

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