鳥の獣医が郵送で糞便を受け取り検査を行っています。

メガバクテリアとは?感染率・感染経路・消毒まで徹底解説

セキセイインコが注意すべき鳥の感染症メガバクテリアとは?

メガバクテリアは、胃に障害を起こす鳥の感染症(カビ)です。

メガバクテリアの概要
  • セキセイインコの感染率は50%以上とされる
  • 本来10年生きられるはずが、わずか3年で亡くなることがある怖い病気
  • 1才までに発見・治療できれば薬で治ることが多い

当院では郵送糞便検査(メガバクテリア顕微鏡検査)を行っています。

(参考)
メガバクテリアの症状
メガバクテリアの検査
メガバクテリアの治療

メガバクテリアとは胃に障害を起こす鳥の感染症(真菌)

メガバクテリア画像(マクロラブダス、AGY)顕微鏡写真

【メガバクテリア画像】

原因:メガバクテリア=マクロラブダス=AGY(真菌 カビ)
  • 学名 Macrorhabdus ornithogaster(マクロラブダス)
  • 鳥の胃に住む着く真菌(カビ)
  • メガバクテリア:巨大な細菌という意味(原因が詳しく分かっていなかった昔についた名前)
  • AGY:Avian Gastric Yeast(鳥類の胃の酵母)という意味
メガバクテリアの概要
  • 鳥の胃に住み着き、胃障害、消化不良を起こす
  • セキセイインコの感染率は50%以上とされる
  • 寿命が半分以下になることがある怖い病気
  • 1才までに発見・治療できれば薬で治ることが多い
  • 定期的な健康診断(糞便検査)が重要

当院では郵送糞便検査(メガバクテリア顕微鏡検査)を行っています。

メガバクテリアは人にうつる?

メガバクテリアは人にうつりません。

鳥から鳥にうつります!

お家に複数羽の鳥が居る場合は注意が必要です。

メガバクテリアは多くの種類の鳥に感染します。
飼い鳥はすべての鳥種が注意すべき感染症です。

メガバクテリアは、検査・治療を行わず放置すると、
「本来10年生きられるはずが、わずか3年で亡くなる 」危険がある怖い病気です。

検査を受けたことがない&新たにお迎えした場合は、必ず検査を受けましょう。

当院では郵送糞便検査(メガバクテリア顕微鏡検査)を行っています。

メガバクテリアに感染している確率

メガバクテリアはセキセイインコで広くまん延しています。

日本全国での調査は行われていないため、正確には分かりません。

感染率は60~70%くらいとも言われます。

経験:50%以上

鳥の獣医師の経験からは、セキセイインコのメガバクテリア感染率は50%以上と非常に高いです。

アンケート:50%以上

X(旧Twitter)におけるセキセイインコの飼い主へのアンケート結果では、「感染していた」との回答が最も多くなりました。

セキセイインコのメガバクテリア感染率は50%以上でした。

国内調査一例:13%

千葉県の病院でセキセイインコについて調査が行われていますのでご紹介します。

一動物病院を初受診したセキセイインコ 392 羽を対象に,マクロラブダス症の疫学調査を実施した.
その結果,392 羽中 51 羽(13.0%)からマクロラブダス症の病原真菌である Macrorhabdus ornithogaster(MO)が検出された.

一動物病院におけるセキセイインコのマクロラブダス症の臨床疫学調査

海外:27~64%

セキセイインコの保有率は27~64%とされます。
(「コンパニオンバードの病気百科」小嶋篤史著より引用)

セキセイインコが感染している確率は非常に高い

セキセイインコがメガバクテリアに感染している確率は非常に高いことが分かります。

メガバクテリアは「本来10年生きられるはずが、わずか3年で亡くなる 」危険がある病気です。
1才までに発見・治療することが重要です。
手遅れになる前に検査を受けましょう。

セキセイインコはメガバクテリアに感染している可能性の方が高いと考え、お迎えしたらすぐに検査を受けましょう。

当院では郵送糞便検査(メガバクテリア顕微鏡検査)を行っています。

メガバクテリアの検査【郵送糞便検査を行っています】

メガバクテリアの検査としては、糞便検査(顕微鏡検査)が有用で一般的に行われています。

検出率の高い検査を受けたい人には遺伝子検査を行うこともできます。

メガバクテリアは寿命が半分以下になる危険がある病気です。
手遅れになる前に検査を受けましょう。

メガバクテリアの検査方法の詳細はこちら👇

当院では郵送糞便検査(メガバクテリア顕微鏡検査)を行っています。

感染鳥種:セキセイインコは要注意

感染鳥種(赤字は好発鳥種)
  • セキセイインコ
  • マメルリハ
  • キンカチョウ
  • カナリア
  • オカメインコ
  • コザクラインコ
  • ボタンインコ
  • ヨウム
  • コンゴウインコ
  • 文鳥
  • コキンチョウ
  • ニワトリ
  • ウズラ
  • ハトetc

オウム目、スズメ目、キジ目、カモ目など多くの種類の鳥で感染の報告があります。

オカメインコ、文鳥、コザクラインコ、ボタンインコなど、どの鳥種でも免疫力が下がった状態では問題を起こすことがあります。

あらゆる鳥種で感染する危険あり。
飼い鳥は全種で糞便検査が必要です。

好発鳥種は要注意
セキセイインコ
・マメルリハ
・キンカチョウ
・カナリア

好発鳥種は感染率が高く、症状が強く現れるため、特に注意が必要です。

メガバクテリアは、寿命が半分以下になる危険がある病気です。
1才までに発見・治療することが重要です。
手遅れになる前に検査を受けましょう。

当院では郵送糞便検査(メガバクテリア顕微鏡検査)を行っています。

症状:吐き気、黒色便など

感染していても最初は症状が出ません。

感染に気づきにくいため健康診断(糞便検査)が重要です。

感染したまま放置すると、以下のような症状が現れます。

メガバクテリアの症状
  • 黒色便(黒いフン)
  • 吐き気・嘔吐
  • 消化不良(つぶつぶの便が出る(粒便))

メガバクテリアの症状の詳細はこちら

メガバクテリアは、寿命が半分以下になる危険がある病気です。
1才までに発見・治療することが重要です。

症状が現れたら、メガバクテリアによる胃の障害が進行しているサインです。

手遅れになる前に検査を受けましょう

当院では郵送糞便検査(メガバクテリア顕微鏡検査)を行っています。

治療

薬で治療できる病気です。

抗真菌剤(カビをやっつける薬)を使います。

飲み薬(飲み水に混ぜるor直接口から飲ませる)を4~6週間くらい投与します。

メガバクテリア治療詳細はこちら

感染経路

メガバクテリアは経口感染します。

メガバクテリアの感染経路
  1. 垂直感染:親から子へうつる(吐き戻した餌)
  2. 水平感染:メガバクテリアが含まれた同居鳥の糞便や吐物などを食べてうつる

感染経路は親から子へうつる垂直感染が多いと考えられています。

ブリーダーやペットショップで感染することが多く、お迎え時した時点で既に感染しているケースがほとんどです。
お迎え後のすみやかな健康診断(糞便検査)が大切です。

当院では郵送糞便検査(メガバクテリア顕微鏡検査)を行っています。

消毒

メガバクテリアの消毒剤については研究データがなく正確には分かりません。

メガバクテリアの消毒剤
  • 中性電解水(次亜塩素酸水 Meau 旧AP水)◎
  • 物理的に洗い流す〇
  • 塩素系消毒剤△

中性電解水(Meau 旧AP水)◎

中性電解水(次亜塩素酸 Meau 旧AP水)は安全性が高いため安心して使用できます。

鳥の病院ではよく使われている消毒薬です。

かかりつけの動物病院などで小分けで処方してもらえないか確認してみると良いでしょう。

物理的に洗い流す〇

消毒剤に頼らず物理的に洗い流すことも有効です。
中性洗剤で洗い、しっかりとすすぎましょう。

塩素系消毒剤△

カビ(真菌)であることから、塩素系消毒剤が有効と考えられます。

お家で手軽に使える塩素系消毒剤はキッチンハイターです。

100倍希釈してスプレーするなどして使用できます。

塩素系消毒剤を使うときの注意点

塩素系消毒剤は刺激性が強いため、鳥さんが直接吸い込まないように使用時は注意が必要です。
鳥さんのそばでは使わないようにし、使用後はよく洗い流すor拭き取って、塩素臭が残っていないことを確認してください。

予後と後遺症

メガバクテリアは早期発見で正しくしっかりと投薬できれば治ります。

発見が遅れると、胃の障害が大きすぎて元に戻らないため、後遺症が残ることがあります。

年齢が進むほど、治療に対する反応が低下する傾向があると報告されています。

胃炎から胃ガンに発展したと考えられる例も見つかっています。

メガバクテリアの後遺症(症状)

早期発見が重要です。

当院では郵送糞便検査(メガバクテリア顕微鏡検査)を行っています。

再発

メガバクテリアは、治療が不十分だと再発することがあります。

メガバクテリアが見つかったら、最初の治療が重要です。

お薬(抗真菌剤)を長期的(4週間以上)に投与し、メガバクテリアをしっかりとやっつける必要があります。

糞便からメガバクテリアが消失しても、胃の中に残っていることも多いです。

1週間くらい投薬して糞便検査が陰性になったからといって、そこで治療を辞めてしまうと再発することが多いので注意が必要です。

治療後、無症状で検査も陰性だったのに、1~2年後に再発するケースもあります。

潜伏感染していることもありますので、メガバクテリア治療後は、年2~3回の定期検査をおすすめします。

当院では郵送糞便検査(メガバクテリア顕微鏡検査)を行っています。

予防

感染の予防

メガバクテリアの感染の予防は難しいです。

お家にお迎えしたときには既に感染しているケースがほとんどだからです。

メガバクテリアに関しては検査を行なっていないブリーダーやペットショップの方が多いようです。

メガバクテリアに感染していない鳥をお迎えするには、メガバクテリアの検査を行っているブリーダーからお迎えするのも1つの方法です。

同居鳥からの感染を防ぐためには隔離が必要です。

お迎えしたら健康診断を済ませてから接触させるように気を付けましょう。

当院では郵送糞便検査(メガバクテリア顕微鏡検査)を行っています。

メガバクテリアは空気感染はしませんが、感染鳥のフンや吐物に接触することがないようにしてください。

適切な清掃・消毒を徹底してください。

発症の予防

発症の予防には早期発見・早期治療が重要です。

症状が進行してしまうと、後遺症が残り、予後が良くありません。

発症には免疫低下がカギを握っています。

ストレスによる免疫力低下を防ぐため、急激な冷えや生活環境によるストレスを感じることがないように注意することも大切です。

予防は難しい

メガバクテリアの予防は難しいため、早期発見・早期治療に努めるしかありません。

飼い主さんにできる最も大切なことは、お迎え後の健康診断(糞便検査)です。

当院では郵送糞便検査(メガバクテリア顕微鏡検査)を行っています。

まとめ:メガバクテリアは早期発見で治る病気!必ず検査を!

メガバクテリアまとめ
  • お迎えしたらすぐに検査を!
  • 治療後は定期的に検査して再発していないか確認(年2~3回)

メガバクテリアは治る病気です!

メガバクテリアで症状が出ている子、その子がどんどん弱っていき死んでしまうのを見ると、本当に悔しいです。

愛鳥には適切な検査と治療を受けさせて、幸せに長生きさせてあげてください。

当院では郵送糞便検査(メガバクテリア顕微鏡検査)を行っています。

(参考)
メガバクテリアの症状
メガバクテリアの検査
メガバクテリアの治療

タイトルとURLをコピーしました