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鳥のごはんは何を選べば良い?ペレットとシードはどっちが良い?
インコや文鳥を初めて飼う方の多くが、餌選びで悩まれます。
ペットショップには様々な種類の餌が並んでいて、どれを選べばいいか迷ってしまいますよね。

日々の診察で「シードだけ」を与えている鳥に栄養不足による病気が多く見られます。正しい餌選びは、愛鳥の健康と長生きに直結する大切なポイントです。
この記事では、獣医師の視点から、ペレットとシードの選び方からおすすめの餌まで、詳しくお伝えします。
栄養不足による病気を予防するためペレットが最もおすすめです。
ただし、ペレットが苦手な鳥さんにはシード(栄養剤・副食を併用)でも問題ありません。
この記事を読めば、愛鳥の健康に良い安全な食事を選ぶことができます。
愛鳥のごはん選びのお役に立てれば幸いです。
飼い鳥の餌の選び方

インコや文鳥の主食は、ペレットとシードの2種類があります。
- ペレット(おすすめ)
- シード(種子)+栄養剤

獣医師としては、ペレット(総合栄養食)を中心にした食事がおすすめです。
ペレットがおすすめな理由
鳥の獣医師の多くは、主食としてペレットを推奨しています。

「誰でも完璧な栄養管理ができ、病気を予防できるから」です。
- 栄養バランスが整っている(栄養不足による病気を予防できる)
- 選り好みによる栄養の偏りを防げる
栄養バランスが整っている
ペレットは、それだけで鳥に必要な栄養がすべて入っている「総合栄養食」です。
シード食ではビタミンA・Dなどが「ほぼゼロ」に近い状態ですが、ペレットなら心配ありません。食事の7割以上をペレットにすれば、基本的に栄養剤を追加する必要がなくなります。
栄養不足による病気を予防できることがペレットの最大のメリットです。
選り好みによる栄養の偏りを防げる
シードを与えると、鳥は脂肪分が多く美味しい種子だけを選んで食べ、栄養バランスの取れた種子を残してしまいます。
ペレットは全ての粒に均一に栄養が含まれているため、栄養バランスが崩れません。
シードだけでは病気につながる

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シード(種子)は鳥にとって美味しいごはんです!
鳥の餌として販売されているシードには、数種類の種子しか入っていません。
これでは、ビタミン、ミネラル、必須アミノ酸が不足します。
栄養の偏りから、病気のリスクが高まります。

実際に「シードだけ」を与えている鳥には健康トラブルが多く見られます。
- 甲状腺腫
ヨード不足で甲状腺が肥大し呼吸障害が起こる - 肝臓病
高カロリー&脂肪燃焼を助ける栄養素の不足で脂肪肝になる - くる病・脚弱
カルシウム・ビタミンD不足で骨・神経に異常を起こし足が曲がる、立てなくなる

栄養不足による病気を防ぐため、多くの獣医師は、「誰でも安全に栄養管理ができる」ペレットを推奨しています。
ただし、シード食がダメな訳ではありません。

ペレットが苦手な鳥もいます。
シードを主食とする場合は、必ず栄養剤を併用して、不足する栄養を補ってあげてくださいね。
詳しくは「シードの選び方と与え方」をご覧ください。
ペレットの種類と選び方

ペレットにはさまざまな種類があります。
ペレット選びのポイントは、以下の3つです。
- 海外メーカー
- 無着色
- 粒のサイズ
海外メーカーを選ぶ
鳥の獣医師の間では海外メーカーの信頼性が高くおすすめしています。
鳥類医学の歴史が長い欧米のメーカーは、膨大な研究データに基づいて開発されており、栄養学的エビデンス(根拠)がしっかりしているからです。
特にハリソンとラウディブッシュのどちらかを選択すると安心です。
健康管理しやすい無着色を選ぶ
無着色のペレットが推奨されます。
健康チェックのために便の色を確認しやすくするためです。
鳥の種類に合った粒のサイズを選ぶ
鳥種と鳥の好みに合わせて粒のサイズを選びましょう。
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2〜3種類のペレットに慣れておくと安心!
海外メーカーのペレットは輸入品であるため欠品のリスクがあります。
普段からいろんなメーカーのペレットを食べられるようにしておくと安心です。
急な品切れで餌がなくなる心配がなくなります。
獣医師がおすすめするペレット

鳥の獣医師が推奨しているペレットを紹介します。
- ハリソン
- ラウディブッシュ
- ズプリーム
- 黒瀬ペットフード
ペレットは名前が難しく間違えやすいため、商品名、粒の大きさを分かりやすくお伝えしていきます。
ハリソン
ハリソンは、世界中の獣医師から最も信頼されているアメリカのメーカーです。
ペレットが初めてなら、まずはハリソンをおすすめします。
- オーガニック原料使用、保存料不使用
- 高温で作らており、消化が良く胃腸への負担が少ない
- 水分を含むと傷みやすいため保存に注意
- 鳥の状態に合わせて栄養量のタイプが選べる(普段用・換羽期用)
普段用のペレットの商品名は「アダルトライフタイム」です。
セキセイインコ・文鳥におすすめの粒のサイズ:スーパーファイン(極小粒)
オカメインコにおすすめの粒のサイズ:ファイン(小粒)
なお、換羽期のペレットの商品名は高栄養の「ハイポテンシー」です。
粒の大きさは愛鳥に合わせて選択してください。
ラウディブッシュ
ラウディブッシュは、鳥類の栄養学者が開発したアメリカのメーカーで、多くの動物病院で使用されています。
- 低温で作られており、栄養の損失が少なく腹持ちが良い
- 鳥の状態に合わせて栄養量のタイプが選べる(普段用・換羽期用)男
- 病気用の療法食がある(動物病院での処方)
普段用のペレットの商品名は「デイリーメンテナンス」です。
セキセイインコ・文鳥におすすめの粒のサイズ:ニブルズ
オカメインコにおすすめの粒のサイズ:ミニ
なお、換羽期のペレットの商品名は高栄養の「ブリーダー」です。
粒の大きさは愛鳥に合わせて選択してください。
ズプリーム
ズプリームは、アメリカのメーカーで、世界中で広く利用されているペレットブランドの一つです。
「フルーツブレンド(着色あり)」が有名ですが、獣医師としては「ナチュラル(無着色)」を推奨します。
- 着色(フルーツブレンド)と無着色(ナチュラル)の2種類がある
- フルーツブレンドは、着色料、砂糖、香料が添加されており嗜好性が高い
フルーツブレンドは嗜好性が高く、ペレットへの切り替え時やおやつとして有用です。
着色料によりフンの色が変わり、病気の発見が遅れるリスクがあるため、主食としては推奨していません。
人気の着色ペレットは「フルーツブレンド」です。
セキセイインコ・文鳥におすすめの粒のサイズ:パラキート(セキセイインコのパッケージ)
オカメインコにおすすめの粒のサイズ:オカメインコ(オカメインコのパッケージ)
無着色の商品名は「ナチュラル」です。
黒瀬ペットフード
黒瀬ペットフードは国内メーカーです。
歴史が浅く、鳥の獣医師として「栄養面ではおすすめできるかまだ分からない」というのが正直なところです。
「安全性」と「安定供給」の面で優れており、海外メーカーのペレット欠品時の代替としておすすめできます。
- 粒が非常に細かく、小鳥が好んで食べる傾向あり
- 安全性が高い(徹底した異物除去)
黒瀬ペットフードのペレットの商品名は「NEO」です。
セキセイインコ・文鳥におすすめの粒のサイズ:超小粒
オカメインコにおすすめの粒のサイズ:小粒
シードの選び方と与え方
ペレットが苦手な鳥さんにはシードを主食として食べさせてあげても問題ありません。
ただし、シードだけでは栄養が不足し病気につながるため、必ずネクトン(栄養剤)やカトルボーン(カルシウム)などで栄養を補ってくださいね。
- 皮付きを選ぶ
- 種子の組成で選ぶ
- 安全なシードを選ぶ(金属など異物が除去されている)
- 栄養剤と副食で栄養を補う
おすすめのシード
シンプルな中身(アワ・ヒエ・キビ・カナリーシード)で皮付きのシードがおすすめです。
皮付きを選ぶ
健康な成鳥には、皮付きシードが推奨されます。
- 皮付きは新鮮で栄養が保たれている(酸化した餌は内臓に悪い)
- 皮をむく行為が鳥の楽しみやストレス解消になる
- 長持ちする
むき餌は殻が出ないため「掃除が楽」ですが、鳥の健康面からはベストではありません。
シンプルな組成を選ぶ(アワ・ヒエ・キビ・カナリーシード)
鳥種に関わらず、以下のようなシンプルな組成のシードを選ぶことをおすすめします。
- アワ
- ヒエ
- キビ
- カナリーシード
中型・大型鳥でもシードの中身はシンプルな組成のものがおすすめです。
オカメインコ用のシードには、ヒマワリの種(質の悪い油が多い)が含まれていることがありますが、主食として食べることはおすすめできません。
セキセイインコや胃腸の悪い鳥さんは「キビ詰まり(キビが消化できずに腸に詰まること)」を予防するため、「キビなし」のシードを選ぶとより安心です。
シードに不足する栄養を補う
シードだけでは栄養が不足します。
シードを主食とする場合は、栄養不足による病気を防ぐため、必ずネクトン(栄養剤)とカトルボーン(カルシウム)で栄養を補ってあげてください。
ネクトン
シード食で不足しがちな栄養素を補うための「総合ビタミン・アミノ酸・ミネラル製剤」です。
ネクトンの使い方は「ネクトンの種類と使い方」をご覧ください。
カトルボーン(イカの甲)
カルシウム補給のために与えます。
ボレー粉もカルシウム補給として使えますが、グリッドインパクション(胃閉塞)のリスクがあるため、カトルボーンがおすすめです。
副食(野菜など)も取り入れて、栄養バランスの良い食事を用意してあげてください。
1日の餌の量と回数
インコの健康を守るためには、適切な餌の量と与え方が大切です。
餌を多めに入れると、食べ過ぎたり、好きなシードの選り好みで栄養が偏ったりすることがあります。
栄養バランスを保つために、1日分をはかって、完食できる量をあげてください。

餌の量は以下の割合が目安とされています。
【1日の餌の量の目安】
| 鳥種 | 体重に対しての割合 | 餌の量 |
|---|---|---|
| セキセイインコ | 体重の10% | 体重35gで1日3~5g |
| オカメインコ | 体重の5〜7% | 体重90gで1日5〜7g |
| 文鳥 | 体重の約10〜15% | 体重25gで1日3〜4g |
必要な餌の量は、鳥の状態や環境によって大きく変わりますので、この目安はあくまで参考として考えてください。
朝ごはんの前に体重を測定し、その日の体重変化を見ながら餌の量を調整することが重要です。
最も大切なのは、愛鳥に合わせて健康な体重を維持できる餌の量を見つけることです。

人間にも背の高い人低い人がいるように、鳥にも体の大きさ(体格)には違いがあります。
動物病院で健康診断を受けて、愛鳥の体格に合った適正体重と餌の量を確認するのがおすすめです。
1日2〜3回に分けて与える方法がおすすめ(分割給餌)
例:朝に1日分の3分の2、夕方に残り3分の1を与える
- 食べ過ぎによる病気の予防(脂肪肝、糖尿病)
- 発情による病気の予防(餌がたくさんあると発情を促進するため)
- 食欲低下に早く気づける
愛鳥の健康のため、適切な量と回数で食事を取らせてあげてください。
餌の量に合った浅い食器がおすすめ
小鳥の1日分の餌を、鳥かご備え付けの食器に入れると、「たったこれだけ?」と感じるほど少ないです。

写真のような「浅い食器」をおすすめします。
洗いやすく、設置しやすいです。

「浅い食器」のメリット
- 食べた量が分かりやすい
浅い食器は減り具合や食べ残しが見た目で分かりやすく、食欲不振にすぐ気づけます。 - 水の飲み過ぎ(多飲)に気づける
浅型で少量の水なら、減り具合で飲み過ぎ(病気のサイン)を察知できます。 - 投薬やネクトンに最適
栄養剤や薬を水に溶かして与える場合、少量の水で作る方が、無駄がなく、管理もしやすくなります。 - 食べやすい
自然な姿勢で食事ができます。
副食・野菜・果物
主食(ペレットやシード)にプラスして、栄養補給や鳥さんの楽しみのために「副食」を上手に取り入れましょう。
シード食の場合は、野菜で栄養を補うことが大切です。
副食の量:食事全体の約10%程度が目安
おすすめの副食を紹介します。
| 種類 | 主な目的 | 対象・タイミング | 与え方・頻度 |
|---|---|---|---|
| 野菜 | ビタミン補給 | 全鳥(特にシード食) | 毎日 |
| エゴマ | オメガ3 シードでは不足する体に良い脂質 | シード食 | 毎日 食事の5〜10% |
| エン麦 | 胃腸保護・消化ケア | 胃が弱い子・老鳥・減量 | 毎日OK |
| フォニオパディ | 低脂肪・アミノ酸 | 胃が弱い子・換羽期 | 毎日OK |
| 果物 | 楽しみ | ご褒美・コミュニケーション | おやつとして時々 |
| 粟穂 | 楽しみ・食欲増進 | 食欲不振・ストレス解消 | おやつとして時々 |
野菜(ビタミン・ミネラル源)
シードだけでは不足するビタミンAなどを補うため、毎日少量与えるのが理想です。
おすすめ:小松菜、豆苗、チンゲン菜、パセリ、ブロッコリー、ニンジンなど
【危険な野菜】アボカド・ネギ類・生の豆(中毒)
エゴマ(オメガ3脂肪酸)
シード食で不足する「良質な脂質(オメガ3)」を補うため、エゴマ、チアシード、アマニ、ニガーシードがおすすめです。
抗炎症作用があり、皮膚や羽毛の健康を守ります。
毎日、食事全体の5%〜10%程度が目安です。
エン麦(オーツ麦)
ムキエン麦(皮なし)は、消化が良いため胃への負担が非常に少ないのが最大の特徴です。
胃腸が弱い子、老鳥、メガバクテリア治療後におすすめします。
低脂肪で繊維質が豊富なため、ダイエット中のかさましにも使えます。
フォニオパディ(アミノ酸豊富なスーパーフード)
粒が極小で消化が良く、低脂肪・低タンパクで、他の種子類では不足しがちな必須アミノ酸(メチオニン)が豊富です。
胃腸ケアや肥満気味の子の栄養補給に適しています。
土が付着しやすいため、「洗浄済み」を選ぶか、洗ってから与えてください。
果物
与えても問題ありませんが、糖分が多いので、おやつとして時々少量あげる程度にしましょう。
バラ科(リンゴ・モモなど)の「種」には毒があるため、必ず取り除いてください。
粟穂(あわほ)
中身はアワと同じですが、「穂をついばむ」楽しみ(フォージング)があります。
ストレス解消や、食欲がない時の「きっかけ作り」、新しい餌への誘導として活用できます。
健康な鳥にはおやつとして時々少量あげる程度にしましょう。
食べ過ぎると栄養が偏るため注意が必要です。
ペレットへの切り替え方法
鳥さんにとって、シードは非常に美味しく魅力的な食事です。
一方でペレットは栄養バランスに優れていますが、食べ慣れていない鳥さんにとっては「食べ物」と認識されにくいことがあります。
成鳥になってからの切り替えには、根気と時間が必要です。
焦らず、愛鳥のペースに合わせて進めていきましょう。
- ペレットを砕いてシードに振りかける
ペレットをすり鉢などで細かく砕き、いつものシードに振りかけて与えます。
自然と口に入り、ペレットの味に慣れてもらう方法です。 - 少しずつペレットの割合を増やす
数週間から数ヶ月かけて、徐々にペレットの割合を増やしていきます。 - 大きさや食感を変える
粒が大きくて食べない場合は、小さく砕いてみてください。
少し水でふやかすと食べる子もいます。 - 嗜好性の高い製品を活用する
食いつきの良い「ズプリーム フルーツブレンド」を導入用として使い、食べることに慣れてきたら、徐々に無着色のペレットへ移行するのも一つの方法です。
ペレットへの切り替えは、くれぐれも無理をせず、健康状態を確認しながら行ってください。
- 毎日の体重測定
食べているふりをして、実際には食べていないことがあります。
体重が減っていないか、毎日朝ごはんの前に確認してください。 - フンの状態を確認
「絶食便(濃い緑色のべちゃっとした便)」が見られたら危険なサインです。
直ちに切り替えを中断し、いつもの餌を十分に与えてください。
切り替えが難しい場合は、無理にペレット100%を目指す必要はありません。
シード食でもネクトンなどの栄養剤で補えば、十分な健康管理が可能です。
愛鳥の性格や体調に合わせて、無理のない範囲で取り組んであげてください。
餌を食べないときの対応
体調不良で餌を食べない時は、「栄養」よりも「エネルギー摂取」が最優先です。
特に小型鳥は、1日食べないだけで命に関わります。
「食べていない」と気づいた時点で、直ちに対応してください。
- 絶食便(濃い緑色のべちゃっとした便は餌を食べていないサイン)
- 急激な体重減少(1日で3g以上の減少)
- 羽を膨らませる
- エン麦(オーツ麦)
- むき餌
- 粟穂(あわほ)
- パウダーフード
お家でできることは保温しかありません。
30℃に保温してください。
保温方法
元気食欲の低下に気づいたら、できるだけ早く動物病院へ連れて行ってあげてください。
まとめ:愛鳥の健康は正しい餌選びから始まります
鳥の食事は、栄養バランスが大切です。
- ハリソン
- ラウディブッシュ
- 皮付きシード(アワ・ヒエ・キビ・カナリーシード)
- 必ずネクトンとカトルボーンを併用

まずはハリソンかラウディブッシュのペレットを試してみてください。
切り替えが難しい場合は、無理をしなくても大丈夫です。
シード食の場合は、ネクトン、カトルボーン、野菜などで栄養を補いましょう。
愛鳥の長生きのために、健康に良いごはんを選んであげてくださいね。
本記事は獣医師として丁寧に解説していますが、あくまで一般的な内容です。 もし愛鳥さんの元気がない・膨らんでいるなど「おかしいな」と感じたら、ネットの情報だけで様子を見ず、すぐに動物病院を受診してください。飼い主さんの早めの判断が、小さな命を救います。

