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【獣医師解説】鳥かごの選び方|ステンレスケージがおすすめ

こんな疑問に答えます
  • 鳥をお迎えするけど、鳥かごってどうすればいいの?
  • ヒナでお迎えした鳥のケージデビューの準備をしたい
  • 鳥かごの塗装剥がれやサビが気になる!買い替えたほうが良い?

この記事では、鳥の獣医師として、鳥かごの選び方を解説します。

鳥かご選びに失敗すると、すぐに買い替えが必要になったり、愛鳥の命を危険にさらすことがあります。

この記事を読めば、愛鳥が長く安全に暮らせる鳥かごを選ぶことができます。

結論
  • 鳥かごは安全性が最重要
  • 金属中毒を防止するためステンレス製を選ぶ
  • ホーエイのステンレスケージがおすすめ

愛鳥のために、最後までお読みいただけると幸いです。

鳥かごの選び方:安全第一!ステンレスが安心!

鳥かごを選ぶ上で、最も優先すべきは「安全性」です。
愛鳥の命と健康を守るためのケージ選びは、飼い主さんの大切な責任です。
その安全性を決める要素は、主に以下の3つです。

鳥かごの選び方
  • 材質(金属の種類)
  • 生産国
  • メーカー

この中で、特に重要なのが材質、つまり金属の種類です。
なぜなら、鳥には金属中毒という怖い病気があるからです。

要素詳細と重要性
材質金属中毒のリスクを避けるために、網(あみ)の材質が特に重要です。
主にステンレスと鉄(スチール)の2種類があります。
生産国信頼性の高い製品を選ぶ目安になります。
国産のメーカーを選ぶと、品質管理の面でより安心できます。
メーカー専門知識や製造技術の高さが、製品の安全性や耐久性に直結します。
特に鳥かごを専門的に扱うメーカーがおすすめです。

結論からお伝えすると、材質は「ステンレス」、生産国は「国産」、メーカーは「HOEI(ホーエイ)」を選ぶと、安心して愛鳥の健康を守ることができます。

鳥かごの材質

鳥かごの網に使われる金属は、主にステンレス鉄(スチール)の2種類があります。

ステンレス 

ステンレスとは?

ステンレスは、鉄にクロムやニッケルなどを混ぜて作られた合金です。
錆びにくく、耐久性が高いのが特徴で、食器や医療器具、厨房機器にも使われる非常に高品質な金属です。

メリットデメリット
金属中毒の危険がない価格が高い
錆びにくい重い
長持ちする

なぜステンレスケージが良いのか?

ステンレスケージの最大の魅力は、愛鳥の命に関わる金属中毒の危険がないことです。

一般的な鉄製のケージは5,000円程度で購入できますが、2〜3年でメッキ剥がれやサビが発生し、買い替えが必要になります。

多くの飼い鳥の寿命は10年以上あります。
愛鳥の命がかかわるリスクと、何度も買い替えるコストや手間を考えると、初期費用が高くても、安心して長く使えるステンレスケージを選ぶ方が良いでしょう。

ホーエイのステンレスケージは、公式サイトの情報では「20年以上」の使用実績があり、「一生物」として愛用している飼い主さんも多くいます。

鉄・スチール(めっき・塗装)

鉄の鳥かごの特徴

鉄(スチール)の鳥かごは、錆びを防ぐために網の表面に亜鉛などのメッキ(めっき)や塗装が施されています。

比較的安価で手に入りやすいのが特徴です。

鉄の鳥かごのメリット・デメリット

メリットデメリット
安価である金属中毒の可能性あり
比較的軽い寿命が短い(メッキや塗装の剥がれで数年で買い替えが必要)
掃除の際、水洗いに気を遣う(錆びやすいため)

愛鳥が鳥かごのをかじる行動は、鳥の習性としてよく見られます。
この際、メッキや塗装が剥がれて体内に摂取されてしまうことで、後述する金属中毒のリスクが発生します。

鳥かごの危険性:金属中毒

鳥かご選びを間違えると、愛鳥の命にかかわる危険があることをご存知でしょうか。

金属中毒とは?

鳥は、体内に取り込んだ重金属(鉛・亜鉛・銅)をうまく排出できないため、中毒症状を引き起こします。これが金属中毒です。

どんな鳥かごが危険?

以下の状態の鳥かごは、金属中毒の危険性が高まります。

  1. 金属の成分が分からない
  2. メッキや塗装が剥がれている
  3. 錆(サビ)が発生している

安全なケージに替えることを強くおすすめします。

対策:ステンレスケージを選ぶ

愛鳥を金属中毒から守るための最も確実な対策は、「ステンレスケージを選ぶこと」です。

信頼できるメーカーのステンレスケージなら、メッキや塗装に頼らないため、をかじっても、中毒の心配はほとんどありません。

また、国産メーカーでは、金属中毒を考慮し、使用する金属の成分やメッキにこだわり、きちんと成分を表示している製品もあります。
成分表示を確認するのも重要な対策の一つです。

鳥かごの寿命と買い替えサイン

鉄製の鳥かごの寿命は、使用環境にもよりますが約2〜3年とされています。
以下のサインが見られたら、すぐに買い替えを検討してください。

  • 塗装やメッキが剥げている
  • 茶色くサビ始めている
  • 網の表面が白っぽく粉を吹いたようになっている(メッキの劣化)
  • 網の溶接部分や繋ぎ目が脆くなっている

の隙間に愛鳥の足が挟まる事故も発生しています。
作りが丁寧な国産の信頼できるメーカーを選ぶことが、事故を防ぐためにも大切です。

鳥かごのメーカー

人気の鳥かごメーカーは、主にHOEI(ホーエイ)とSANKO(サンコー 三晃商会)の2種類です。

メーカー特徴
HOEI(ホーエイ)鳥かご専門の国産メーカー。
安全性・利便性・品質の高さで特に信頼性が高い。
SANKO(サンコー)小動物用品全般を扱う。
安価で手に入りやすいが、ケージの材質詳細は不明。

HOEI(ホーエイ)

HOEIは、鳥かごを専門的に製造している国産メーカーです。

  • 材質へのこだわり: プレミアムステンレスステンレス銀メッキの3種類を展開
  • 安全性: 公式HPにて、使用している金属の成分や安全性を詳細に表示
  • 利便性: 修理対応やパーツ販売が充実しており、長く使い続けられる

HOEIのステンレスの品質

HOEIのステンレスケージは、主にSUS304ステンレスを使用しています。

SUS304は、非常に錆びにくく、家庭の食器や厨房機器にも用いられる高品質なステンレスです。このレベルの材質を使うことで、鳥かごとしての耐久性と安全性を極限まで高めています。

(※さらに耐食性の高いSUS316もありますが、その分価格も高くなります。)

特にHOEIのステンレスケージは、愛鳥の健康を第一に考える飼い主さんに最もおすすめできる製品です。

SANKO(サンコー・三晃商会)

SANKOは、小動物用品全般を幅広く扱うメーカーで、手頃な価格帯の製品が多いのが特徴です。

  • 特徴: イージーホームシリーズなど、機能的で安価な製品を展開
  • 材質: スチール(塗装)とステンレスの2種類

SANKOの主な製品

製品シリーズ材質特徴
イージーホーム ステンレスステンレス安全性の高いステンレス製。
イージーホーム(通常)スチール(塗装)比較的安価。清掃しやすい引き出し式トレーが人気。
イージーホーム(クリアパネル)スチール(塗装・クリアパネル)飛び散り防止に特化した製品。

イージーホームのステンレスモデルは、ホーエイに次いで安全性を確保できる選択肢となります。

おすすめの鳥かご【ステンレスケージ】

鳥の獣医師としておすすめの鳥かごは、ステンレスケージです。

理由は、金属中毒のリスクを回避できること、そして水洗いが可能で衛生的に保ちやすいためです。

信頼性が高く、サイズ展開も豊富なHOEI(ホーエイ)のステンレスケージが、特におすすめできます。

HOEIのステンレスケージ

鳥の大きさ鳥種商品名
小型鳥セキセイ、コザクラなどホーエイ 35手のり ステンレス
中型鳥オカメインコなどホーエイ 465オカメ ステンレス
超小型鳥文鳥、キンカチョウなどホーエイ 21手のり ステンレス
大型鳥ヨウム、オウムなどホーエイ 465オウム ステンレス

鳥かごのサイズの選び方

新しい鳥かごを選ぶ際は、できるだけ大きいサイズを選ぶのが基本です。

鳥かごは大きい方が良い理由
  1. 運動不足の解消: ケージの中で上下左右に移動することで、適度な運動ができます。
  2. ストレス軽減: 狭いと羽根がに当たり、ストレスの原因になります。
  3. 羽ばたき防止: パニック時に羽根を傷つけるリスクを減らせます。
  4. 止まり木・おもちゃの設置スペース: 必要な備品を余裕を持って配置できます。

鳥種別に、大きさの目安と商品例を示します。

小型鳥 セキセイインコ・コザクラインコ・マメルリハ

商品名 ホーエイ 35手のり ステンレス

大きさ 幅370 ・奥行き415 ・高さ545mm

中型鳥 オカメインコ・ウロコインコ・アキクサインコ

商品名 ホーエイ 465オカメ ステンレス

大きさ 幅465 ・奥行き465 ・高さ580mm

超小型鳥 文鳥・フィンチ

商品名 ホーエイ 21手のり ステンレス

大きさ 幅290 ・奥行き365 ・高さ382mm

掃除しやすい鳥かごの形状

安全性が確保できたら、次は「掃除のしやすさ」も重要なポイントです。

四角がおすすめ

結論として、四角いシンプルな構造の鳥かごが最もおすすめです。

  • 掃除のしやすさ: 底のトレイが引き出し式になっており、四角の角まで簡単に掃除できます。
  • 備品の設置: 止まり木やおもちゃ、ヒーターなどを壁に沿わせて設置しやすく、デッドスペースが生まれにくいです。

丸形・おしゃれな形は非推奨

丸形や、装飾の多いおしゃれな形のケージは見た目は可愛いですが、おすすめしません。

  • 安全性の懸念: ステンレス製の安全な丸形ケージはほとんど流通していません
  • 掃除のしにくさ: 底のトレイが丸型で洗いにくく、構造が複雑な部分は汚れが溜まりやすいです。

まとめ

最後までお読みいただき、ありがとうございました。

愛鳥のため、安全で長く使える鳥かごを選んであげてください。